図書館LARP「BOOK WORLD」に参加してきました!(2023年10月27日東京都立中央図書館にて開催)
(*資料の公開については作者の許可済みです。)
本日、東京都立中央図書館で、図書館LARP「BOOK WORLD」に参加しました。
ちなみにLARP初体験、そしてはるばる福岡から参加しました!
【あらすじ】
時は1億年後、一度文明が滅び、あらゆる知識や技術が失われてしまった未来。大国「サクラード王国」で、古代に関する建造物、絵画、また自然現象や疫病が流行ったため、古代の図書館(2023年)に転移し、古代の知識を調べてくるというストーリーです。
https://www.libraryfair.jp/forum/2023/918
課題には難易度、現在の知識とのギャップ差などの指針が記載され、参加者は受付時に好きな課題が選べました。
ちなみに私は「地面の隆起で現れた島の来歴を調査する」を選びました。(少し難易度高め)
この課題は、3〜4人一組で行われました。
午前は、1日の流れ、LARPの説明、アイスブレイク、会場である図書館のオリエンテーション、実際の調査は午後スタートでした。
制限時間は約1時間、まとめる時間が20分、その後各チームからの報告会が各20分です。
【調べた手順】※以下、具体的なネタバレ回避
で、私たちの課題ですが、司令書にその地域の「緯度・経度」が記入されているので、そこさえ特定できれば……という感じでした。
しかし、今回図書館で使えるのは「スマホで調べるの禁止」「使えるのは館内の蔵書検索用(opac)のpc」と制約があり、ググることは不可。
なので最初に、1Fの総合受付に行き、司書さんに「緯度と経度から、地域を調べる本はどこにありますか?」と質問し、その本がありそうな場所を教えていただきました。
その後、教えていただいたコーナーの地図を見たり、ゲームの隊長にもアドバイス頂き、なんとか場所を特定できました。
その後は、4人で分担して、事典、県史、地理、自然などから手分けして調査しました。
(私は館内にあったパスファインダーも活用しました。丁度その辞典と同じ棚に、良さそうな本が見つけられたので……)
その後、グループ閲覧室でまとめ作業を行い、私達の班は、地形、歴史、産業、自然、観光情報などを手分けして発表しました。
(1時間じゃちょっと厳しいかな……と思いましたが、なんとか調査完了しました。)
で!その発表(報告会)なのですが!
【報告会の模様】
ちょっと脇に逸れますが、そもそも今回のこのLARPには「未来から調査に来た人」という設定があり、その役柄になりきって話す(必須ではないけど、やってみよう)みたいなルールがありまして。
例えばエレベーターが来た時に
A「えっなんだこの箱は」
音声:2回に参ります
B「は、箱がしゃべった!」
みたいな会話が、ゲーム中に繰り広げられるのです。(↑は自チーム)
それで、この設定を活かし、最初の発表のAチームから「皆さんご存知の未来はこうですが〜」「古代(2023年)って信じられないことにこうだったんですよ……!」という、自分たちの想像を膨らませて発表する、大喜利が始まったのです。
これがとても、とても面白くて。
こういうことを発表に入れるのは、別にルールなっているからでないのです。本当に、参加者側から自然に発生したことです。
突然最初のチームから大喜利が始まったのです。
ことの起こりはトップバッター、謎の建造物を調査したAチーム。
普通だったら、謎の建造物の建てられた由来、役割を説明するだけでOKなのですが、なんとそこから「私達の未来ではテレパシーを使っていますよね?でも古代の人々は、小さい箱に電波というものを飛ばしていて〜」みたいな独自の未来人的説明をくわえたり、さらに建物について未来視点からの独自の解釈を展開されていました。(私物のパソコンとパワポで、追加の解釈が前に投影されてさらにびっくり)
(この時点で、なんて上手い説明の仕方なんだ……!すごいな……!と部屋中に笑顔が生まれ、笑顔の裏で、後半のチームには「やべえ、うちのチーム説明どうしよう」と考え始めます。)
続いてBチーム、とある奇病について調べる班でしたが、こちらもすごかった。
このチームは動物由来の疫病についての発表だったのですが、
「(私達の未来では)空にドラゴンが飛んでいますよね!」「でもこの卵は生で食べちゃダメなんです!」
みたいな、独自でドラゴンを取り入れた発表をされたり(そして、発表者が用意したセカ⚪︎ワのドラゲ⚪︎イも会場に流れる)
また、聞いている側からも
「え、うそでしょ!」
「それ私好きなのに!」
みたいな、あたかも未来人らしいリアクションが発生したり。
Aチーム同様、すでに発表者会前に手描きの解説図なども用意されたりもして、とても用意周到。面白かったです……!
Cチームは、とある星についての調査でした。
実は、今回、企画者からの設定では、「未来では地動説ではなく天動説が信じられている」というもだったらしく
発表者「実は、私たちの地球は、天ではなく地面が動いてるんです!」
聴く側「えっ嘘でしょ……?」「なっ、なんだって……!」
という反応が生まれていました。
発表チームの独自色が出ていて面白かったのは、「実はうちのチーム3人ですが、もともと4人で……というのも、調査時にトラブルが発生してそういう記憶処理を施していまして〜」(多くのチームが4チーム編成だったことに対し、ここ3チームだったことをいかし、ストーリーを生み出して説明)
だったり、
「ちなみにこの時代には、新海誠という監督が作った『君の名は』」という映画がありまして、「ネタバレ、ダメ、絶対」というものがあるので詳しくは言えないのですが、この星は(以下関連を説明)なので、ぜひ見てみて下さい!」みたいな発表で、これまたとても面白かったです。
Dチームは、謎の絵画の調査。現代で世界的に有名な絵画でした。
で、ここのチームはと言いますと
「私たちの未来では、こういう感じの絵が描かれるものですが!
(発表者が描いた棒人間の絵が登場し、会場に笑いが生まれる)
この古代の絵画はすごいんです。こういう技法が使われていて〜」
「私たちの未来では、色といったら白黒ですが、この絵画はカラフルで、空はこういう技術で描かれていて〜」
といった、未来の設定を新しく生み出されていて、とても楽しかったです。
そしてそして、最後に私たちEチーム。
Eチームは海底隆起した、とある島について発表したのですが
海底隆起の理由の説明が終わった後、歴史、自然、観光の段になった時に
「(未来人の)皆さんは、よく外で鳥を捕まえて空を飛ぶことがあると思うんですが、実はこの鳥、ここで絶滅しかけたことがあって……」
「この島に行く時はですね、乗り物に乗る際、当時「ヒデヨ」という紙が必要だったらしく(ポケットからお札登場)、さらに飛行機で行くとなると「ユキチ」というものが必要だったらしく、古代の皆さんはこれを出す時に渋い顔をされるんですよね〜」
みたいな、オリジナルの未来設定や、未来人視点の観光説明が入りました。
あっ、私ですか?
「私たちの時代では、鉱物といえばオリハルコンが一般的ですが、実は昔この島では⚪︎⚪︎という鉱物が存在し、採取できたそうなんですよね……!」
みたいな説明を入れました 笑
以上で、報告会は終了。
【感想会と終わりに】
最後に、参加者、見学者からの感想会、この企画に関わった方々からの開催の経緯の説明、課題の裏話があり、終了しました。
感想会ですが、色々な入り口から参加されているという印象でした。
LARPに興味があって、TRPGやマダミスが好きで、図書館総合展からの関わりで、実は本職が司書で。
(ちなみに中の人は、図書館に関係のない、一般企業の会社員なのですが、司書の勉強をしたことがあったのと昔、図書館総合展にいった関係で、メルマガやTwitterから情報得て行きました。)
(旅先で図書館に寄るくらい、図書館好きなので)
(そして図書館総合展は平日開催なので、行きたくてもいけない……)
実は、感想会の前後で知ったのですが、私のチームにも本職の司書さんが2名ほど参加していらっしゃったんですよね……!(頭が上がらない)
中には、「普段図書館で調べ物をすることがない」という方も参加されていたので、図書館LARPがもっと広がれば、図書館に足を運ぶ人が増えるんじゃないかな……!と感想会で思いました。
特に図書館に興味を持つ若い人、増えて欲しいですね……!
個人的な感想としては、楽しかったのが3つあって。1つは、分からないことを周りの人と協力して調べること、2つ目は「どうやって調べる?」「海底隆起ってことは、今は沈んでいる土地?」「未来の土地って標高何メートルだろう」みたいな会話がチーム内で出て来たこと。
そして3つ目。実は私、喋るのも人前で話すのも苦手でガチガチに緊張するのですが、この図書館LARPの報告会の場では、楽しく人前で話すことができたので、とてもいい体験をさせてもらえました。
図書館LARP、ありがとうございました!
またあったら参加したいです……!